日本でオンラインカジノをすると即違法というニュースは違います

最近、某自治体の誤送金事案が発生したことで、本来は全然関係のないオンラインカジノや入出金で利用する決済代行会社の違法性などが取り沙汰されています。

いずれ収まるとは思いますが、ネットニュースでは「海外のオンラインカジノであっても日本から利用すると違法」というものが出回っています。

次はそのような記事の一つです。

ニュース

「賭博罪がある日本では、海外にサーバーがあったとしてもオンラインカジノでのギャンブルは違法。」と書かれています。

これは某出版社の誰かが書いた記事ですが、刑法を理解していないか、分かっていてあえて違法性を煽るために書いたかのどちらかでしょう。

ポイント1

このように一個人が「違法」と断言できるものではありません。

海外のオンラインカジノ利用が合法か違法かは、司法による裁判のみで決定されます。

海外のオンラインカジノ利用が刑法の賭博罪に当たると判断された裁判例は1件もありません。裁判自体もありません。(略式裁判を除く)

ポイント2

1.海外で合法的に運営している運営者を日本の法律で処分できないのに、その利用者だけを処分できるのか。

2.賭博罪を含む刑法は明治40年にできたものです。当然にインターネットなどありません。現代のインターネットで海外のオンラインカジノを利用することに明治時代の法律を適用できるのか。

これらに対する司法判断は一度もくだされていません。

前述のとおり、裁判例が1件もないのですから。

 

分かっていて書いているとすれば、記事を読んだ人が違法だと「誤認」してくれることを期待して書いたものと思われます。

日本に所在がある会社が海外のサーバーでオンラインカジノを運営していれば当然に違法です。

 

違法性についての正確な答えは

「日本から海外のオンラインカジノにインターネットで接続して利用する行為については、今の時点で司法は何も判断していない。」

ということです。

刑法で言う賭博罪は、日本国内だけに通用することですし、海外のオンラインカジノが日本国内で行われているとみなして利用者を検挙した「スマートライブカジノ」事件では、検察が不起訴としたことは有名です。

「海外のオンラインカジノを利用すると違法」ということには明確な根拠がありません。

「現行の刑法の賭博罪が海外のオンラインカジノ利用に適用されるのかは、だれにも判断できない」というのが一番正確な表現です。

今後もこのような「海外のオンラインカジノを利用すると違法」というニュースが出てくるでしょうが、それは現行法上はだれにも判断できないと理解してください。